今回は「ガンプラを格好良く仕上げたい、だけど全塗装はエアブラシも持っていないしとても無理!」という方に送る、ウェザリング仕上げの方法をご紹介します。
ウェザリング仕上げとは
- プラの成型色を生かすので基本的には塗装をしない
- 塗装は部分的なもののみ。筆でOK
- ウェザリング(汚し塗装)で質感を整えて格好良く仕上げる
- エアブラシ等の高額な塗装用具は使わない(安く仕上げられる)
という方法です。実際にウェザリング仕上げをした HG バルバトスルプスの写真がこちらです。
かっこいいですね!やる前はこんな感じでした。
だいぶおもちゃっぽいです。。では具体的な方法を解説していきます。
簡単ウェザリング仕上げの手順
下記の手順で仕上げていきます。
- 組み立て
- つや消しトップコート
- 部分塗装
- スミ入れ
- チッピング
- ウェザリングマスターで調整
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 組み立て
今回使ったのは HGバルバトスルプスです。800円前後で購入できます。この値段で販売できるなんてバンダイさんは神なのであります。
また合わせ目は最新のガンプラだけあってほとんどありません。いつかのズゴック君は大変だったものですが…(遠い目)。合わせ目が多いと、やっぱり塗装しないと痕跡が残ってしまってどうにもならなくなったりします。この手法は、合わせ目がほぼ無い状態で組み立てられる、現代のガンプラならではなのかもしれません。
また組み立てに当たって固定できる場所は、タミヤセメントを使って固定しちゃいましょう。この後の工程でいくつかプラを侵食しがちなものを使うのできっちり固定しておくと失敗も少なくなります。
組み立てたらせっかくなので立ち上げて遊びましょう。いい大人がなにを…、という思いが脳裏をよぎったりしますが、やっぱり立ち上げて見ないとテンションが上がりません。
うーん。かっこいいんですけど…やっぱりイマイチテンションが上がりません。ウェザリング仕上げで格好良くしていきましょう。
2. つや消しトップコート
最初につや消しトップコートを吹きつけます。プラスチックの表面はツルツルとしてテカリがありますよね。これだと塗料の食いつきが悪く、ウェザリングもしづらいです。そこで、つや消しトップコートを吹きつけます。
「つや消し」というのは、要は表面を透明なざらっとした皮膜で覆うことで反射を抑えてつや消し仕上げにすることです。このザラつき(手で触っても良くわかりませんが)が塗料の食いつきをよくするのに非常に良い働きをします。
つや消しトップコートの缶をよく降ったら、20-30cm程度の距離から吹きつけます。サッとで良いです。僕はだいたい左右に1往復です。全体に吹き付けることになるので、前の後は後ろ、さらに上と下、それぞれやっていきます。
やりすぎると白く濁ったような状態になりますので、その辺りは何度かやって感覚を掴むと良いと思います。
3. 部分塗装
ガンプラは基本的にパーツが色分けされたプラスチックになっています。またシールを貼ることで、細部の色分けもかなりの完成度になるようになっています。ここで、完成図などを見て色分けが足りていない部分は似た色合いで塗っておくことにしましょう。
筆を使用します。筆はできるだけ細いものが良いです。100均の筆でも良いですが、これからも筆で細部を塗装する可能性があるなら、タミヤさんの極細筆を購入しておくと良いと思います。
今回のバルバトスルプスはシールも豊富でしたので、細かい部分の塗り分けはしていません。関節等の機械部分だけ、シルバーで塗装をしています。今回はMr.カラーのシルバー(銀)を使いましたが、これは以前購入したものが余っているだけで、筆で塗るならタミヤさんのクロームシルバーの方がオススメです。
タミヤさんのクロームシルバー(アクリル塗料)は水で筆が洗えますが、Mr.カラーの塗料はラッカー溶剤か専用液を使わないと落とせません。筆塗り的には面倒なので、水で洗えるタミヤのアクリル塗料を使うのがお手軽ですし、経済的なのでオススメです。
シルバーで塗装したところ。後述する工程の後で思い出してこの作業をやったので、チッピングや墨入れが終わった状態の写真ですが、本来なら部分塗装を先にやった方が良いです。
いい感じに光沢が出て機械らしい質感になりました。金属パーツの塗装は完全に塗りつぶすのではなく、サッサッと塗っていき、6割くらい塗る程度の感覚で良いです。ちょっと掠れているくらいが質感的には一番落ち着くと思います。
4. スミ入れ
スミ入れを行います。僕は細かい作業があまり好きではないので機体全体にスミ入れを行います。今回使ったのはタミヤエナメルのフラットブラックで、これをライターオイルかエナメル溶剤で溶いて全体に塗りたくります。またはスミ入れ塗料をそのまま使っても良いと思います。
バルバトスの写真ではないのですが、これくらいに塗りたくります。
10分ほどで乾燥するので、そうしたらエナメル溶剤をつけた綿棒で拭き取ります。モールドに色が入っている部分はしっかり残しつつ、上から下に向けて綿棒を動かして拭き取っていきます。完全に綺麗に拭き取れば綺麗な状態になりますし、意図的に残るようにして雨だれ跡っぽく仕上げて見ても良いと思います。
こちらがスミ入れ後のバルバトスくん。
5. チッピング
塗装剥がれや、自然な汚れ感を表現するのに非常に優れた手法である、チッピングを行います。今回やるのは「スポンジチッピング」です。難しそうに聞こえますが、まったく難しくないです。塗料をつけたスポンジをポンポン当てていくだけです。
下の写真はチッピング前です。画像下にあるのがスポンジ片で、100円均一に売っている安い食器洗いスポンジをちぎったものです。ここにタミヤエナメル塗料のジャーマングレイをつけて、何度か新聞紙等にポンポン、と当てます。塗料がべったりつかなくなって小さなツブツブがつく程度になったら、パーツのエッジ(角っこ)を中心にポンポンと当てていきます。
そしてチッピング後です。
エッジを中心にかすかにツブツブが入ったのが分かるかと思います。傷跡っぽくしたい時は、スポンジをエッジ部分から平面にかけて擦りあげたりすると、それらしくなります。
これを全パーツにチマチマとやります。ここは結構地味な作業なので頑張ってやりましょう。
6. ウェザリングマスターで調整
ここからは全体を見ながら調整をするので、バラバラにしていたパーツを組み立てましょう。
最後にウェザリングマスターで調整を行います。主に使うのはAセット(サンドカラー)とFセット(金属カラー)です。
まずは金属系パーツの仕上げをします。Fセットの粉(何でも良いです。僕はチタンをよく使います)を付属の刷毛にとって、それを金属パーツにこすりつけます。武器にも擦り付けましょう。良い感じに金属光沢が出て質感が鉄っぽくなります。魔法の粉であります。
金属粉をつけただけの武器。それっぽい。
続いてAセットからライトサンドを使った退色表現を行います。こちらも付属の刷毛に粉をとったら、本体にこすりつけていきますが、白系パーツよりも先に、まずは色の濃い青系や赤系パーツで風合いを見てみるようにします。
青系や赤系パーツは分かりやすく色合いが薄くなり、退色感のある風合いに変わります。成型色のままだと安っぽいのですが、ここで退色させることで格段に質感がよくなります。重ねれば重ねるほど退色感が出てくるので、好みの具合になりますで擦り付けていきましょう。
全体のバランスを見ながら、調整をしたら完成です。
作例紹介
HGガンダムバルバトスルプス
今回紹介した工程でこんな感じになっています。なかなか良いんじゃないでしょうか。
まとめ
今回は初心者でも簡単にウェザリング仕上げができるように手順をまとめて見ました。そのまま素組みのまま置いておくのも良いですが、手を加えてあげると格段に表情の違う実戦感のある仕上がりにすることができます。
エアブラシ等の高価な道具を使わないので、ハードルも低くて良いかと思います。是非試して見てください。
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